デトロイト・ピストンズが4月5日、フィラデルフィア・76ersに116-93で快勝し、イースタン・カンファレンスの第1シードを確定させた。東の首位通過は2007年以来。再建期が長く続いたチームにとって、今季が単なる躍進ではなく、本格的な復権のシーズンであることを証明する勝利となった。
この日のピストンズは、スター選手に極端に依存しない今季の強さを象徴する内容だった。トバイアス・ハリスが19得点、ダニス・ジェンキンスが16得点14アシスト、ジェイレン・デューレンも16得点を記録。特定の1人が爆発して押し切ったわけではなく、全員で試合を支配した形だ。だからこそプレーオフでも計算しやすい。
特に評価したいのは後半の試合運びである。前半の76ersはタイリース・マクシー、ポール・ジョージを中心に食らいついたが、ピストンズは焦らずリバウンドと守備強度で流れを引き寄せた。後半のフィラデルフィアを33得点に抑えた守備は非常に完成度が高く、ローテーション、セカンドチャンス抑制、そして相手のリズムを断つ切り替えの速さが際立った。
数字面でもこの勝利の説得力は大きい。デトロイトはリバウンドで45-33と上回り、セカンドチャンスポイントでも優位に立った。プレーオフでは半コートの攻防が増え、1本のシュートミスの重みが増す。そうした環境で、相手より多く possessions を確保できるチームは非常に強い。ピストンズはまさにその土台を持っている。
さらに心強いのは、エース級ガードのケイド・カニングハムを欠く期間があっても勝ち切れている点だ。ロイターによれば、デトロイトは彼の不在期間でも8勝2敗。これは単に控えが頑張ったという話ではなく、チームのシステムが個人の欠場で崩れないレベルに達していることを示している。主力復帰後にチーム力が上積みされる余地まで考えると、東の他チームにとって相当やっかいな存在になり得る。
歴史的に見ても、ピストンズは守備と規律で勝つチームカラーを持ってきた。今季のデトロイトは、その伝統的な強みを現代的な spacing とボールムーブメントで再構築している印象がある。単に昔ながらのフィジカルバスケへ回帰しているのではなく、今のNBAに適応した形で勝ち筋を作っている点が重要だ。
第1シード確定の意味は大きい。ホームコートアドバンテージを東のプレーオフ全体で確保できる可能性が高くなり、接戦のシリーズでの優位性が増す。しかも若いチームにとって、安定した環境でシリーズを始められることは精神面でもプラスに働く。
もちろん、レギュラーシーズン首位がそのまま優勝へ直結するわけではない。ただ、今季のピストンズは「勢いだけのサプライズ」ではなく、守備、リバウンド、層の厚さ、戦術の再現性というプレーオフ向きの要素を着実に積み上げてきた。東の本命を問われた時、デトロイトを外すのは難しい状況になっている。
再建の成果が数字として結実し、なおかつ内容も伴っている。ピストンズの今季は、ここからが本番だ。
出典: Reuters

